# MAPレイヤー ## 概要 MAPレイヤーは、キーマップレイヤーごとのキーへの割り当てを持つ。 MAPエディタは、その設計・編集と、実機との読み書きを提供する。 ここでいうキーマップレイヤーは、PHY・ELC等の設計レイヤーとは区別する。 主眼は、新しく作成するキーボードのワークフローにある。 キーマップを設計し、実機へ反映し、使って調整した結果をプロジェクトへ戻せるようにする。 既存キーボード全般への接続・取り込みを、初期対応の前提にはしない。 ## MAPデータと他レイヤーの関係 キー参照と出力時の並べ替えは、[IDXレイヤー「他レイヤーとの関係」](IDXレイヤー.md#他レイヤーとの関係)に従う。 MAPのキー参照にはPHYのキーIDを使い、実機との通信に使うアドレスを正本のキー参照にはしない。 現行の保存形式は、[JSON SchemaのMAP節](phase1-json-schema.md#4-mapレイヤー-json-schema)にある レイヤー別のキーコード割り当てを出発点とする。 動作定義と保存形式の拡張範囲は、[P-1](#p-1-割り当てる動作と保存形式の範囲)で扱う。 ## キーマップレイヤーの識別 キーマップレイヤーは、並び順と独立した名前で識別する。名前はMAP内で一意とする。 レイヤーを切り替える動作も名前でレイヤーを参照し、番号へは出力時に並び順から変換する。 レイヤーの並べ替えや挿入で参照先がずれないようにするため。IDXがキー番号を正本にしないのと同じ理由による。 ## MAPエディタの責務 - PHYの配置を参照し、キーマップレイヤーごとの割り当てを編集・保存する。 - 対応する実機へ割り当てを書き込み、実機の現在の割り当てを読み出す。 - 実機で使いながら調整し、その結果をMAPへ取り込むワークフローを提供する。 読み書きは一組として対応する。読み出しには、現在値の確認に加え、Remap等で調整した結果を プロジェクトへ戻す用途も含む。保存と実機への反映の操作、差分表示、自動同期の有無は、 [P-3](#p-3-プロジェクトと実機の対応状態管理)で扱う。 ## DynamicとStatic Dynamicは、対応ファームウェアが公開している通信プロトコルを使って、再ビルドせずに設定を読み書きする経路。 Staticは、設定をファームウェアへ組み込むために出力する経路とする。 Staticの出力は[全体方針のFirmware Generator](keyboard-design-layers.md#firmware-generator)が担い、MAPエディタは持たない。 MAPエディタはDynamicの読み書きを提供する。Dynamicで変更できる範囲は、 対象ファームウェアと既存プロトコルが公開する範囲に従う。 Staticで扱う動作定義の範囲と、Dynamicで変更できない設定の扱いは、 [P-1](#p-1-割り当てる動作と保存形式の範囲)で扱う。 ## 対応プロトコル 最初に対応する通信プロトコルはVIAとし、対応プロトコルを絞って段階的に増やす。 ユーザーが好むRemapと同じ通信経路を使い、新規キーボードの設計から実機での調整へつなぐため。 - QMKやVial側にBeyond KLE独自のプロトコルを追加しない。そのためのファームウェアのフォークも行わない。 - VIA対応では、対象ファームウェアの既存のVIA機能を使って読み書きする。 - VIAへの対応は、Remapというアプリ全体の機能を再現することを意味しない。 - 初期の実装対象はVIAに限る。 対応するVIAプロトコルのバージョン、キーコード体系、編集項目の範囲は、 [P-2](#p-2-viaの初期対応範囲)で扱う。 ## 持たないもの 物理配置、配線、キーの出力番号は、それぞれPHY・ELC・IDXで扱う。 OS配列やIMEの入力変換はIME側の責務とし、外部ツールで編集できる照明等の設定も、 VIAで通信できるという理由だけでMAPの所有データには含めない。 アナログ入力の解釈の所属は、[全体方針のP-1](keyboard-design-layers.md#p-1-アナログ値の解釈をどの層が持つか)で扱う。 ## 検討済み・非採用 - MAPエディタをStaticに閉じる (journal/2026-09-22-map-via-workflow.md) ## 未確認事項 ### P-1 割り当てる動作と保存形式の範囲 - 位置づけ: MAPのデータモデルを定めるための設計判断。 - 未決事項: キーコード割り当てに加え、タップ/ホールド、コンボ、マクロ等の定義・設定をどこまで扱うか。Staticで扱う範囲、ファームウェア共通表現と固有表現の境界も未定。 - 完了条件: 初期対応する動作と設定、その保存形式、Static出力とDynamic読み書きでの扱いをユーザーが決める。 ### P-2 VIAの初期対応範囲 - 位置づけ: VIA通信と編集UIの実装に必要な対応範囲の判断。 - 未決事項: 対応プロトコルのバージョン、キーコード体系、レイヤー別割り当て以外に読み書きする項目、対象ファームウェアの機能・容量制約の確認方法。 - 完了条件: 対象バージョンと読み書きする項目を定め、対応する新規キーボードの構成で必要なコマンドと制約を確認する。 ### P-3 プロジェクトと実機の対応・状態管理 - 位置づけ: 実機への読み書きをMAPへ結び付けるための設計判断。 - 未決事項: - 出力した構成とPHYキーID・通信上のアドレスの対応をどこに保持し、接続した実機とどう照合するか。 - VIAの割り当ては接続先(row/col)単位で保存されるため、同じ接続先に配線された排他キーは、実機では1つの割り当て先を共有する。書き込み時に選択外のバリアントのキーの割り当てをどう扱うか、読み出した値をどのPHYキーへ戻すか(実機側のlayout optionの選択に従うか)。 - バリアントや配線の変更後の扱い。 - プロジェクトと実機の差分表示・保存・反映の操作。 - 完了条件: 対応情報の生成・保存・照合方法と状態管理を定め、設計から実機へ反映し、Remap等での変更を元のPHYキーIDへの割り当てとして取り込む手順を確認する。排他キーを含む構成で、書き込みと読み出しがバリアントの選択に従って元のPHYキーへ対応することを確認する。