hst: IMEレイヤーをHSTレイヤーとし、ホストによるキーコードの解釈の記述に範囲を絞る

- 役割はホスト(OS×ホスト配列)がキーコードをどう解釈するかの記述。IMEの変換はOSの責務で対象外
- データはキーボードに依存しないプロファイルの共有カタログ。識別はOS×ホスト配列(+入力方式)
- プロファイルは順方向の表・成立の前提・対応可否(3値)だけを持つ。逆引きと実現可否の判断は使う側(P-1で要確認)
- MAPはキーコードを保存し、逆引きは一方向の入力補助とする
- 複数ホストの扱いをP-2とし、MAP-P-5の参照をHSTへ向ける

Journal: journal/2026-09-24-hst-layer-scope.md

Co-Authored-By: Claude Opus 5.5 <noreply@anthropic.com>
Claude-Session: https://claude.ai/code/session_017W6AsoJYTiN3bnxvSMS87f
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@@ -1,7 +1,7 @@
# Beyond KLE # Beyond KLE
キーボード設計のデータモデルとワークフローを再設計するプロジェクト。 キーボード設計のデータモデルとワークフローを再設計するプロジェクト。
PHY(物理配置) / ELC(電気配線) / IDX(キー識別) / MAP(キーマップ) / IME(入力変換) の5層に分離する。 PHY(物理配置) / ELC(電気配線) / IDX(キー識別) / MAP(キーマップ) / HST(ホスト) の5層に分離する。
- 応答・ドキュメントは日本語。 - 応答・ドキュメントは日本語。
- 現状はコード未着手、設計ドキュメントのみ。 - 現状はコード未着手、設計ドキュメントのみ。
@@ -15,6 +15,7 @@ PHY(物理配置) / ELC(電気配線) / IDX(キー識別) / MAP(キーマップ)
| `ELCレイヤー.md` | ELC層の仕様 | | `ELCレイヤー.md` | ELC層の仕様 |
| `IDXレイヤー.md` | IDX層の仕様 | | `IDXレイヤー.md` | IDX層の仕様 |
| `MAPレイヤー.md` | MAP層とエディタの責務・実機との読み書き方針 | | `MAPレイヤー.md` | MAP層とエディタの責務・実機との読み書き方針 |
| `HSTレイヤー.md` | HST層(ホストによるキーコードの解釈)の仕様 |
| `phase1-json-schema.md` | 各層のJSON Schema | | `phase1-json-schema.md` | 各層のJSON Schema |
| `keyboard-making-workflow.md` | 既存の自作キーボード制作フローとの対応 | | `keyboard-making-workflow.md` | 既存の自作キーボード制作フローとの対応 |
| `implementation-plan.md` | 実装方針の決定事項・検証用サンプル | | `implementation-plan.md` | 実装方針の決定事項・検証用サンプル |
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@@ -0,0 +1,97 @@
# HSTレイヤー
## 概要
HST(ホスト)レイヤーは、接続先のホストがキーボードから受け取ったキーコードをどう解釈するかを記述する。
MAPが出力するのはHIDのキーコードであり、画面上の文字や動作は、ホストのOSとキーボード配列の設定で決まる。
HSTはこの対応を持ち、MAPエディタとFirmware Generatorが参照する。入力がHSTを通過するわけではない。
名前は、HIDでキーボード(device)の接続相手をhostと呼ぶことに合わせる。
IMEのかな漢字変換はOSの仕事であり、HSTの対象外とする。
## プロファイル
HSTのデータは、ホスト環境ごとのプロファイルの集まりとする。
プロファイルはキーボードに依存しないため、プロジェクトの外にある共有カタログとして版を管理する。
プロジェクトは、参照するプロファイルのIDと、利用者ごとの差分(XKBのオプションなど)だけを持つ。
### 識別
プロファイルは、OSとホスト配列の組で識別する。必要な場合だけ、入力方式やその設定を加える。
- ホスト配列は、OSがキーコードを解釈するための配列の設定である。キーキャップの刻印やOSの表示言語とは独立に決まる
(日本語のWindowsで英語配列を設定する、など)。
- Linux(XKB)では、配列(layout)・変種(variant)・オプション(options)の組になる。
- `win-jp` のような短い名前は、人が選ぶためのプリセット名として付ける。
- 各OSの識別子(WindowsのKLID、XKBの名前、macOSの入力ソースID)と対応付けられるようにする。
```json
{ "os": "windows", "layout": "jp106" }
{ "os": "macos", "layout": "us" }
{ "os": "linux", "layout": "jp", "options": ["ctrl:nocaps"] }
```
「日本語入力を使う環境」のような設定は、プロファイルの識別に含める。
IMEが今ONか、のような実行時の状態は識別に含めない(次節の引数として扱う)。
### 記述する内容
プロファイルは、順方向の対応だけを記述する。
```txt
(キーコード, 修飾キー, ホスト状態) → 文字 / 動作 / 未定義 / 不明
```
- ホスト状態: CapsLock、かなロック、IMEのON/OFFなど、同じキーコードの結果を変える状態。
HSTは状態の種類を引数として記述するだけで、実行時の状態を観測しない。
- OS固有のキーの意味: `LANG1`/`LANG2`(Macのかな/英数)、変換/無変換、Cmd/Ctrlの役割など。
- 成立の前提: 動作に必要なOS側の設定(Unicode入力の方式など)。HSTは設定を変更する機能を持たない。
- 対応可否: 対応済み・未対応・不明の3値とする。カタログに載っていない動作を「使えない」と扱わない。
## 使う側の責務
HSTは逆引き(文字から、それを入力するキー操作を求めること)を持たない。
逆引きは、使う側が順方向の表から求める[推測:P-1]。
- 順方向の表から導けるので、両方を持つと二重管理になる。
- 逆引きの候補には、ファームウェアの機能に依存するものがある。
例えば、US刻印のキーキャップをJIS配列のホストで使う場合、Shiftの有無で文字の組が合わないキーには、
Shift時に別のキーコードを送る機能(QMKのKey Override)が必要になる。
これはホストの知識ではないため、HSTに持たせない。
使う側の担当は次のとおり。
- MAPエディタ: キーコードの表示、逆引きによる入力補助、対象ホストで意味を持たないキーコードの警告
- Firmware Generator: `send_string` が前提にする配列、Unicode入力の方式など、ホストに依存する生成設定
## MAPとの境界
- MAPは具体的なキーコードを保存する。逆引きは編集時の入力補助であり、選んだ候補のキーコードをMAPへ書く一方向の変換とする。
実機に残るのはキーコードだけなので、この形なら実機との往復を単純に保てる。
- HSTは割り当てを所有・変更しない。PHYのキーIDも参照しない。
## 対象外
- 実行時の状態の観測・同期(今どのOSに接続しているか、IMEがONか)
- OS設定の変更、IMEの変換処理
- ホスト側での再割り当て(AutoHotkey、Karabiner、IMEのローマ字テーブルなど)
- アプリごとのショートカット(「コピー」のような操作の汎用的な辞書)
## 検討済み・非採用
- 名前をSYSとする (journal/2026-09-24-hst-layer-scope.md)
- 逆引きの候補をプロファイルが持つ (journal/2026-09-24-hst-layer-scope.md)
## 未確認事項
### P-1 使う側が逆引きの候補と実現可否を判断できる
- 位置づけ: 本文「使う側の責務」が前提にしている。HSTにファームウェアの知識を持たせない線引きは、これが成り立つことに依存する。
- 格上げ条件: US刻印のキーキャップをJIS配列のホストで使う構成で、Shiftの有無で文字の組が合わないキーについて、
HSTの順方向の表と、Generatorのビルド設定(有効な機能)だけから、MAPエディタがKey Overrideを含む候補を作れることを試作で確認する。
### P-2 対象ホストを複数持つか
- 位置づけ: 未解決の問い。Win/Mac両用のキーボードでは、表示と検証を複数のホストに対して行う必要がある。
OSの切り替えをMAPのレイヤーで表す既存の慣習と、どう対応付けるかも関わる。
- 完了条件: プロジェクトが参照するプロファイルの数と、MAPのレイヤーとの対応付けの有無をユーザーが決める。
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@@ -120,7 +120,7 @@ VIAプロトコル0x000Dのコマンドのうち、MAPエディタが扱うも
## 持たないもの ## 持たないもの
物理配置、配線、キーの出力番号は、それぞれPHY・ELC・IDXで扱う。 物理配置、配線、キーの出力番号は、それぞれPHY・ELC・IDXで扱う。
OS配列やIMEの入力変換はIME側の責務とし、外部ツールで編集できる照明等の設定も、 ホストによるキーコードの解釈は[HSTレイヤー](HSTレイヤー.md)、IMEの入力変換はOSの責務とし、外部ツールで編集できる照明等の設定も、
VIAで通信できるという理由だけでMAPの所有データには含めない。 VIAで通信できるという理由だけでMAPの所有データには含めない。
MAPエディタは、キーコードを当面US配列の文字で表示する。 MAPエディタは、キーコードを当面US配列の文字で表示する。
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@@ -3,7 +3,7 @@
## 概要 ## 概要
PHYレイヤーは、キースイッチやキーキャップ、その他周辺部品の物理的な配置に関する情報を提供する。 PHYレイヤーは、キースイッチやキーキャップ、その他周辺部品の物理的な配置に関する情報を提供する。
付加的な情報として、matrix情報(ELCレイヤー)や入力キー情報(MAP/IMEレイヤー)を含ませることができるが、必須ではない。 付加的な情報として、matrix情報(ELCレイヤー)や入力キー情報(MAP/HSTレイヤー)を含ませることができるが、必須ではない。
## 構造 ## 構造
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@@ -114,12 +114,12 @@
### MAP-P-5 キーコードを表示するOS配列 ### MAP-P-5 キーコードを表示するOS配列
- 関連仕様: [MAPレイヤー](../MAPレイヤー.md)「持たないもの」、[全体方針のIMEレイヤー](../keyboard-design-layers.md#5-imeレイヤー-入力変換) - 関連仕様: [MAPレイヤー](../MAPレイヤー.md)「持たないもの」、[HSTレイヤー](../HSTレイヤー.md)
- 未決事項: MAPエディタがキーコードをどのOS配列の文字で表示するか。IMEレイヤーの情報を使うか。 - 未決事項: MAPエディタがキーコードをどのOS配列の文字で表示するか。HSTのどのプロファイルを使うか。
少なくともUS/JISの切り替えは欲しい。利用者が増えれば他言語への対応も求められる。 少なくともUS/JISの切り替えは欲しい。利用者が増えれば他言語への対応も求められる。
- 保留できる理由: キーコードの割り当てと実機との読み書きは、表示に使うOS配列と独立して実装できる。 - 保留できる理由: キーコードの割り当てと実機との読み書きは、表示に使うOS配列と独立して実装できる。
- 再開条件: MAPエディタの表示を実装するとき、またはIMEレイヤーの仕様を検討するとき。 - 再開条件: MAPエディタの表示を実装するとき、またはHSTの[P-2](../HSTレイヤー.md#p-2-対象ホストを複数持つか)を決めるとき。
- 完了条件: 表示に使うOS配列の指定方法と置き場所、IMEレイヤーとの関係をユーザーが決める。 - 完了条件: 表示に使うHSTプロファイルの指定方法と置き場所をユーザーが決める。
### MAP-P-6 QMKのdevelopブランチ・Community Modulesへの対応 ### MAP-P-6 QMKのdevelopブランチ・Community Modulesへの対応
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@@ -0,0 +1,35 @@
# IMEレイヤーの再定義(HST)と線引き
## 結論
- IMEレイヤーをHST(ホスト)レイヤーに改める。役割は、ホストがキーコードをどう解釈するかの記述。IMEの変換はOSの仕事で対象外。
- データは、ホスト環境ごとのプロファイルを集めた共有カタログ。キーボードに依存しない。プロジェクトはプロファイルのIDと差分だけを持つ。
- 識別はOS×ホスト配列(+必要なら入力方式)。`win-jp` などはプリセット名。
- プロファイルは順方向の表 f(キーコード, 修飾キー, ホスト状態) → 文字/動作/未定義/不明、成立の前提、対応可否(3値)だけを持つ。
- 逆引き・候補の生成・ファームウェアでの実現はMAPエディタとGeneratorが行う。ユーザーは、これが実現できるかに不安がある → HSTのP-1。
- MAPはキーコードを保存する。逆引きは入力補助で、一方向の変換。
- 複数ホストの扱いは未決 → HSTのP-2。
## 案の比較
| 論点 | 当初の提案(人との議論) | Claude | Codex | 採用 |
|---|---|---|---|---|
| 名前 | SYS | HOST/HST | SYS → 最終的にHOST/HSTに同意 | HST |
| 識別子 | WIN-JAP (OS×言語) | OS×配列の構造 | OS×配列×入力方式+プロファイル名 | OS×配列(+入力方式) |
| 範囲 | OS・言語ごとのキーの振る舞い・表示 | ホストの解釈の記述 | 意図を環境ごとの出力に変換、まで候補 → 最終的に「対応関係を提供、変更はしない」 | 記述のみ |
| 逆引き | - | 使う側で順方向の表から求める | 候補と成立条件をプロファイルが持つ | 使う側 |
| ホスト状態 | - | 関数の引数として記述 | 設定と実行時の状態を分ける | 両方(矛盾しない) |
## 根拠・経緯
- SYSは、HIDのSystem Control用途ページ(電源・スリープ)や「システム設定全般」と紛らわしい。hostはHIDでキーボードの接続相手を指す用語で、QMKも「host keyboard layout」と呼ぶ。
- 言語は軸として誤り: 日本語Windowsで英語配列を使える。MacではUS/JISが入力ソースとキーボード種別で決まる。XKBはlayout/variant/optionsの3要素。
「英語」にもUS・UKがある。`JAP` はISOコードでもない(ja/jpn)。
- 逆引きをプロファイルに持たせない理由: (1) 順方向の表から導けるので二重管理になる。
(2) 候補がファームウェアの機能に依存する。例: US刻印+JISホストでShiftの組が合わないキーにはKey Overrideが要る。HSTにQMKの知識が混ざる。
- Codexの指摘で採用したもの: 表示の切り替えと送信内容の変更を混ぜない。知らない動作を「使えない」と扱わない(対応可否を3値にする)。OS設定への依存は記述する。
- MAPの正本をキーコードにする理由の修正: Claudeは当初「VIAでは実機にキーコードしか残らず、意図を復元できないので、キーコードでなければならない」とした。
Codexが、意図をプロジェクト側に残す設計も可能で、難しくなるのは実機で変更された値の取り込みだけだと反論し、これが正しい。
採用する理由は「実機との往復を単純に保てるから」とする。
- 「コピー」のような操作の辞書は、アプリやユーザー設定まで相手が広がるので対象外。
- 未採用のアイデア: キートップの刻印生成にHSTを使う(PHYのラベルへ流す)。検討していないので仕様には書かない。
+7 -4
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@@ -57,11 +57,14 @@ ELCはIDXを参照せず、IDXもELCを参照しない。MAPもIDXを参照し
- **備考**: キーの参照にPHYのキーIDを使う。配列としての並べ替えは、出力時にバリアント選択後のIDXの並び順で行う - **備考**: キーの参照にPHYのキーIDを使う。配列としての並べ替えは、出力時にバリアント選択後のIDXの並び順で行う
- **詳細**: [MAPレイヤー](MAPレイヤー.md)。動作定義とキーごとの設定の保存形式は、[MAPのP-1](MAPレイヤー.md#p-1-動作定義とキーごとの設定の保存形式)で扱う - **詳細**: [MAPレイヤー](MAPレイヤー.md)。動作定義とキーごとの設定の保存形式は、[MAPのP-1](MAPレイヤー.md#p-1-動作定義とキーごとの設定の保存形式)で扱う
### 5. IMEレイヤー (入力変換) ### 5. HSTレイヤー (ホスト)
- **役割**: キーコードと実際の入力文字の対応 - **役割**: 接続先のホスト(OSとキーボード配列の設定)が、キーコードをどう解釈するかの記述
- **対応ツール**: OS - **入力**: なし。どの層も参照せず、MAPエディタとFirmware Generatorから参照される
- **備考**: MAPレイヤー設計時に考慮が必要 - **対応ツール**: OSのキーボード配列、QMKの言語別キーコード(`keymap_japanese.h` など)
- **出力**: ホスト環境ごとのプロファイル。キーボードに依存しない共有カタログとする
- **備考**: IMEのかな漢字変換はOSの責務で、HSTの対象外
- **詳細**: [HSTレイヤー](HSTレイヤー.md)
## ツール設計方針 ## ツール設計方針